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フルートとクラッシックとアマオケのことなど。

トレヴァー・ワイ「Complete Daily Exercises for the Flute」について 3

えー、どうもです。bonです。

 

トレヴァー・ワイ「Complete Daily Exercises for the Flute」の続きです。

一番始めに、この本はいくつかのデイリーエクササイズをまとめた本である事を

書きました。

実際にこの本の中をみますと、トレヴァー・ワイが書いた練習の他に、

 

・タファネル=ゴーベール「17のメカニズム日課大練習」(と同じ練習課題)

・ライヒェルト「毎日の練習」(7つの日課練習)

ベーム 「12 Etudes op.15」

・Andre Maquarre「Daily Exercise」

 

が入っています。

すべて入っている訳ではなく、一部含まれていないものがあります。

 

タファネル=ゴーベールについて「同じ練習課題」と書いたのは、

内容はタファネル=ゴーベールのものと同じものの、目次には

「タファネル=ゴーベールによる」とは書かれていない為です。

タファネル=ゴーベールにあるものでも、このワイの本には

含まれていない練習課題があり、すぐに気がつくものではトリルについて

同じものが入っていません。

トリルについては、ベームのものにある練習で換えているように思われます。

 

ライヒェルトについては、3番の練習曲のみ含まれていません。

2番と5番の練習曲は、トレヴァー・ワイのフルート教本1巻に書かれている

トーンカラーの練習曲に使われているものです。

また、2番については、同じくフルート教本3巻「アーティキュレーション」の

練習曲に使われています。

1巻・3巻ともに、一部だけ楽譜が載っているのですが、あとは「全調で練習する」

としか書かれていないので、自分で移調して練習するかライヒェルトの本を買うしか

無かったのですが、一つ選択肢が増えたわけです。

ライヒェルトの2番は、マルセル・モイーズが好んでウォームアップ・音色練習に

使っていたと書かれています。

(タファネル以来使われており、もしかしたらそれ以前から使われていたのかも、とも書かれています。)

新しいフルート教本1巻についているCDに実際の演奏が入っているので、

できれば入手された方が良いかと思います。

 

ベームのエチュードは、ほとんどエクササイズ的なものなので、

(副題 あらゆる調で運指を滑らかにする為の12の練習曲)

この本に含まれるのも理解できます。

12曲ある内、この本には5・6・7・8番の4曲は含まれていません。

このワイの「Complete Daily Exercises for the Flute」の中には、

6章として「Daily Exercises」の項目があり、「特にポピュラーな日課練習で、

ウォーム・アップや音色・アーティキュレーションの練習に使われているもの」

が含まれていると書かれていますが、その中に6曲含まれています。

ジェフリー・ギルバートの「フルート奏法 成功への鍵」には

先のライヒェルトとこのベームのエチュードについて記載されている部分があり、

ジェフリー・ギルバート門下ではよく使っているものなんでしょうか。

僕の記憶に間違いが無ければの話ですが、以前ゴールウェイが雑誌のインタヴューで、

ベームのop.15はフルートを作った人が書いたマニュアル本みたいなもので、

自分自身よく練習している」と答えていたと記憶しています。

難易度は中級レベルで、24のカプリースよりも少し低くレベル付けされているものです。

 

Andre Maquarreですが、僕は全く知らなかったのでネットで調べたところ、

フランスの人で、アメリカに渡ってオケ奏者として活動した人で、

1910代にフィラデルフィアの主席をしていたそうです。(後任がキンケイド。)

この人のものはアルペジオの項目で2曲含まれています。

 

ちなみに、これらの練習課題については、それぞれの本を見ると速度の指定があるのですが、

ワイの本には書かれていません。

理由は「言わずもがな」なので書きませんが、このネタの終わりには

一応速度を書いてみようと思います。

 

では。